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はぁー……
朝からため息ばっか。
昨日の夜は全然眠れないし、なのに目が覚めるのは無駄に早いし。
「おっはよー優衣子ちゃん!昨日はどうだった?」
声のほうに目を向けると愛ちゃんが満面の笑みで私を見ている。
今一番聞かれたくないことを…っ。
「ごめん!もしかして聞いちゃいけなかった!?」
「えっあっいやいや!昨日は本棚整理して帰っただけだよ。ていうかほんとに私、あいつのこと好きじゃないから!」
そう言い終えたとき、愛ちゃんの視線が私の背後へと切り替わる。
するとタイミング良いのか悪いのか、橘がちょうど前の扉から入ってきた。
…!
一瞬、目が合った………ような気がした。
もしかして今の話聞かれてた?
でも別に付き合ってるわけじゃないし
むしろ私が好きだろうが嫌いだろうが橘には関係ない。
そんなこと気にもしてないだろう。
「市ノ瀬さん」
その声の主に体がビクッと反応する。
振り向けば、真面目くんオーラ漂う橘が立っている。
「なっ……なに?」
「放課後、図書室で委員会集まるみたいだから」
「あ、わかった。ありがと」
なんだ…
委員会の知らせであったことに内心ほっとする。
それに委員会だったら橘と2人きりじゃないしね。
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