茗荷（みょうが）の生涯。

茗荷の生涯。（年表）

1922年…大正11年 藤原家子息が藤原実科女学校（後の県立花ヶ濱商業高校）を設立。お馨四十八歳。

1923年…大正12年 関東大震災、発生。長女 紫織、顔を負傷し女優業を引退。同年、演出家であった、杉上 智和と結婚。お馨四十九歳。

1924年…大正13年 紺屋町 若菊 逝去。花ヶ濱中から仲川家名義で菊の花を買い占め、見送った。お馨五十歳。

1925年…大正14年 孫 藤治郎誕生。お馨五十一歳。

1930年…昭和5年 孫 菫子誕生。お馨五十六歳。

1937年…昭和12年 夫 蒼史郎、風邪をこじらせ、肺炎に。（現在で言う、インフルエンザではないかと思われる。）夜通し看病し、添い寝していたお馨の腕の中にて逝去。
結婚する際蒼史郎がお馨に手渡した指輪と、
蒼史郎が持っていた指輪を、
二つとも蒼史郎の棺の中に納めて見送った。お馨六十三歳。

1940年…昭和15年 孫 藍一郎 誕生。同年、第二次世界対戦、勃発。藤原雅通逝去。知花子嬢乳母、七尾お加代と共に看取る。お馨六十六歳。

1941年…昭和16年 大東亜戦争（後の世に言う、太平洋戦争）勃発。お馨六十七歳。

1944年…昭和19年 孫 藤治郎 出征。お馨六十九歳。

1945年…昭和20年 孫 藤治郎 戦死。同年6月、花ヶ濱大空襲（突然の大風、大雨により、被害は最小限で済んだ。）。同年8月、終戦。お馨七十一歳。

1950年…昭和25年 お加代逝去。お馨七十六歳。

1956年…昭和31年 矢的 すゞ女、誕生日にフライドチキンを食べ過ぎて喉をつまらせ逝去。
お馨は呆れながらも、皆に看取られ幸せなまま逝った親友の棺に、
残月饅頭を「三つ」納めて見送った。お馨八十二歳。

1965年…昭和40年 孫 藍一郎 中学校の後輩、紅子と結婚。お馨九十一歳。

1967年…昭和42年 ひ孫 三志 誕生。お馨九十三歳。

1970年…昭和45年 ひ孫 照三 誕生。お馨九十六歳。

1973年…昭和48年 ひ孫 尋三 誕生。お馨九十九歳。

1974年…昭和49年 お馨百歳。