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『そこで…部員を確保すべく、少し目立つ格好をして勧誘活動をしようと、私は考えているのですが、お二人はどう思います?』
『え?…いいんじゃないですか?』
マイナーな部活が人目を引くために多少は目立つ事をするのは、さして変な事でもないし、珍しい事でもない。
『そうですか、霧島さんは?』
『へ?…ええ、良いと思いますが』
さして深く考えもせず、霧島沙耶と綾崎加奈は、黒澤奈緒美の提案に同意した。
『では、少々お待ち下さいね、着る予定のものを持ってきますわ』
黒澤奈緒美は立ち上がって席を離れると、部室にある諸々の物品が並べてある棚の方へと歩いていった、それを見届けた綾崎加奈は、隣に座る友人・霧島沙耶へ顔を向けて話しかけた。
『ゴメンね沙耶;ウチの部長が無理矢理につれて来ちゃったみたいで…』
『あはは…ここまで来たら、少し手伝うくらい良いよ』
霧島沙耶は苦笑いしつつ、綾崎加奈へそう言った。
本来はさっさと帰宅して、隣の家に住む男友達の木村翔の家に遊びに行く予定だったのだが、教室を出ると廊下には既に黒澤奈緒美が待ち構えていて「霧島さん、お待ちしていましたよ…さあ、参りましょう」と、霧島沙耶が云々を言う暇も与えられる事無く、首根っこを捕まえられた猫のように、ズルズルと引きずられながらオカルト研究部の部室に運搬?されて来たのだ。
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