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『でも綾崎さん、これくらいインパクトがあった方が確実だと思いません?』
『どんなインパクトですか部長!!だいたいローブに六芒星の杖を装備、加えて山羊の頭の被り物って、まるでサタニスト(悪魔崇拝)の司祭みたいじゃないの!これば絶対に誰でも引きますよ、断言出来ます!想像してみてよ!部長がこれを付けた姿を!』
そう言われて、頭の中で三点を着用した自分自身を黒澤は思い浮かべてみた…紅のローブを纏い、六芒星の杖を片手に山羊の頭の被り物をした自身の姿で勧誘するのを…
『…………あーー…確かに…かなり怪しいですわね;』
『∑最初から気づいて下さい!』
山羊の被り物を目の当たりにして思考が飛んでいた筈の霧島沙耶が、いつの間にか正気を取り戻していたらしく、黒澤奈緒美の言葉に疑似涙を流しながら力強くツッコミを入れる。
『うーん…ちょっと考えが浅かったですわね、もう少し方向性を変えてみましょう』
再び手を組んで姿勢を正しながら黒澤は2人に話しかけた。
(え、「ちょっと?」…これは…「ちょっと」程度なの?;)
内心で更なる囁かな追撃の言葉を吐きつつ、霧島沙耶は黒澤奈緒美の言う方向性を変えると言う内容に耳を傾ける事にした。
『で?方向性を変えるって…どうするんです?』
綾崎加奈はそう黒澤奈緒美に訪ねた。
『私は人目を引くために目立つ事と、オカルト研究部としての雰囲気を誇張する事にこだわり過ぎたようです…なので、小さくとも「何か」を付け加えるだけにすれば、後は普通の格好でも十分にいけるかと考え直しました』
黒澤は「ピッ」と左手の人差し指を立てながら綾崎に答える。
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