41人が本棚に入れています
本棚に追加
開始
『さて、いよいよ新入生も入って来ました、なので我がオカルト研究部も、部員を増やす為に勧誘活動を開始しなくてはなりません』
黒澤奈緒美が、部室の真ん中にデンと置かれたテーブルに両肘をつき、手を組んで口元を隠し、鋭い眼で目の前に居る2人の女子に向かって、そう言った…さながら悪の組織の女幹部のごとく。
『分かりましたけど…なんで私が呼ばれたんですか?』
自身を指差し「(゜∇゜)はい?」みたいな表情で、そんな疑問を黒澤奈緒美に投げかけるのは、オカルト研究部の部員でもなんでもない、魔術使いの霧島沙耶。
『ですよ部長、沙耶は部員じゃないんですけど?』
霧島沙耶の隣に座る女子…綾崎加奈が、自らが所属する部活の部長・黒澤奈緒美に、霧島沙耶の疑問に同意しつつ訪ねた。
『助っ人ですわ』
黒澤奈緒美は、目の前の2人の疑問に対し、率直な答えを返す。
『助っ人…って、いいの沙耶?』
『え?…う…うん…まあ…』
切れ切れながら、友人の言葉に頷く霧島沙耶。
『さて、理解して頂けた所で相談を始めます…』
『部員の確保ですよね?』
『そうです、我がオカルト研究部は設立されてから殆ど部員が入りませんでした、このままでは部の存続すら危ういのです』
黒澤、霧島、綾崎の三人が通う学校の規則に「部活には最低5人の部員を揃えるべし」と、今年度から追加されたのである…現状…部員は一名、部長の黒澤奈緒美を含めても二名しか居ない、つまりは廃部の危機が目前に迫っている状態なのである。
最初のコメントを投稿しよう!