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それからどれくらいの月日が経っただろう…
ケイは毎日あやこの病室に行き、日が暮れるまで静かに眠るあやこの横に座っていた。
自分があやこに出来る事…
あやこを信じて待つ事しか出来なかった。
ケイは待ち続ける。
あやこの声が聞きたい…
あやこの笑った顔がみたい…
ただ、毎日、それだけを願っていた。
そんな時、あやこの母から一通の手紙を渡された。
…あやこからケイに宛てられた手紙だ。
あやこが眠りにつく前にケイに渡して欲しいと言われたらしい。
ケイは手紙を読むのが怖かった。
手紙を読んだらあやこが遠くに行ってしまいそうな気がしたから…
ケイは手紙を握り締め、うつむいてた。
母「…読んであげて下さい。私からもお願いします…」
あやこの母はかすれかけた声でケイに言った。
ケイは無言でうなずき、震えた手で手紙の封を開ける。
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