~もう一人の君~

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ケイ「…」       ケイは空を眺めていた。      日も暮れてかけた頃、      ケイ「…そろそろ戻るか。」       ケイは部屋に戻ろうと振り返る。         パシンッ!!!         何が起こったのかわからなかった。       よろめいたケイは体制を立て直す。       …ケイの目の前には何もいない。       少し視線を下に向ける。           …そこにはあやこがいた。         あやこ「…叩いた事はごめんなさい。…けど…」       ケイはあやこに言われて初めて自分が叩かれた事を知った。       ケイには何故自分が叩かれたのかわからなかった。         あやこはうつむいたまま口を開いた。         あやこ「なんで自分を傷つけるの?なんで自分を大事にしないの?わからないよ…。」     あやこの頬から涙がこぼれた。         ケイ「…」       ケイは言葉が出なかった。     出てこなかったと言うより、どう言っていいかわからなかったのだ。       あやこはうつむいたままだった。       ケイ「…また会えて良かった。」         あやこ「…うん」       二人の間は沈黙に包まれた。       ケイは不思議とその空間が嫌いではなかった。      どれくらい時間が経っただろう…       気がつくと二人とも空を見上げていた。       あやこ「…そろそろ戻ろう…。」       ケイ「…うん」       二人は部屋に戻っていった。
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