721人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
近水は、俺に何が言いたいんだろうなあ。
ここ１ヶ月で疑問は募るばかり。
初めて呼び出されたときは、ついにパシリ宣告か、なんて思ったが、違うみたいだしなあ…
あ、そうそう、不良が多い学校なら、俺みたいな平凡はパシリに強制就任!ってなるんじゃ…と、思うだろ？
ところが、全くそういうの、無いんだよ。
なんでだろうな？
漫画の中じゃ良く見る光景なのになー。
まあ、害が無いなら良いのか、別に。
｢っと…、鍵、鍵…｣
高校と自宅の距離は歩いて５分。
今日も、俺は変わらず帰り道、放課後に顔を合わせたクラスメートの心意を多々想像するのであった。
空は、灰色。
あいつの髪と、同じ色。
踏みしめてきた雪の上に残る足跡には、早くも新たな白が積もり始めていた。
最初のコメントを投稿しよう！