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「考えてもみろ。俺たち今年に入って真面目に授業受けたこと、あるか?」
「…ない」
「だろ?」
「あんなつまんない授業、受けなくてもテストで点とれるもーん。
…ま、ちかちゃんは別な意味で受けられないんだと思うけどさ~」
「…(ギロリ)」
「ちょっ、ごめんて、ちかちゃん!」
睨んでしまったが、昴の言うとおり、俺はきっと授業を教室で受けることが出来ないだろう。
何せ、前の席はあの谷山はると、だ。
後ろ姿を見たら抱きしめちまうだろうし、何よりうなじなんて見たら………
「クッ!!!」
「わっ、ちょ、ちかちゃん鼻血!」
「…サンキュ、昴」
わたわたと差し出されたティッシュで鼻血を拭う。
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