第二章

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しばらく、二人の言い争いを見守ってはいたが、全くもって終わる気配がない。むしろ悪化する一方だ。 仕方がない。そう思って、近くにいた楠原の肩をポンと叩く。 「っ!!…な、なんや、会長?」 びっくぅと大袈裟に肩を跳ねさせてから、こちらを振り返った楠原の体をニッコリと笑いながら反転させる。 「なぁ、楠原。」 俺が名前を呼ぶと、何を思ったのかすごい勢いで目を逸らす楠原。 そんな楠原に、俺は満面の笑みを浮かべる。 「お前、めちゃくちゃ慎介のこと好きだよな?」 「うっ、えぇっとー。」 「好き、だったよな?」 言い訳を考えさせる暇など与えず追求すれば、楠原は「お、おぅ。」と、吃りながらも頷いた。 そのことで、俺はさらに笑みを浮かべ、 「じゃあ、あいつらを止めてこい。」 力いっぱい楠原を慎介たちのほうへと押してやった。
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