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それから10秒も経たないうちに、再び携帯が鳴った。
相手はもちろん努だ。
「……なんだ。」
『なんで切るんだよ?』
「切ってほしくねぇなら日本語喋ろ。」
『喋ってたじゃねーか。』
「あれは日本語じゃねーよ。」
ぶつくさと文句を言ってくる努を軽く促し、
「……で、用件は?」
いい加減に、本題に入ることにした。
努から電話をかけてくる時は、たいがい何か重要なことがあるときだからな。
まぁ、何も用件がなかったら、明日殴るけどな。
『あー、そのことなんだけどー……』
そんな俺の言葉に努は言いづらそうに一瞬黙って、
『……慎介がまじでヤバいぜ。』
ぽつりと言葉を漏らした。
その言葉に俺はやっぱりか。と心の中で呟く。
だが、問題はそこではない。
「規模は、どれくらいだ?」
『今のところは、生徒会役員、風紀委員、それぞれ全ての親衛隊。それから……マキを使ってANGELを潰そうと考えている小中規模の族だな。』
「……今のところ、ねぇ。」
『あぁ、どこから情報が漏れたかは知らねぇが、慎介がマキっつーことが噂になりだしている。』
「つまりは、近々ANGELと雑魚の大群の大規模な抗争が起こる可能性があるっつーこと、か。」
親衛隊だけならともかく、よりによって族関係まで絡んでくるなんて……くそ面倒なことになったな。
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