第三章

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飛行機から降りて、きょろきょろと辺りを見渡す。 そこには言葉では表現できないほど豪華なホテルが建っていた。 なんというか…… 「「すっげー無駄。」」 ぽつりと呟けば、誰かの声と見事にハモった。 隣を見れば、黒いもじゃもじゃ。 「……慎介。」 「おう、彪流じゃねーか!」 名前を呼べば、キーンと耳が痛くなるくらいでかい声がかえってくる。 ……俺、難聴とかじゃねぇんだけどな。 「少しはボリューム落とせ。」 煩いんだよ。と訴えるように耳を手で押さえる。 「あ?あぁ、わりぃわりぃ。てか、なんでこんなとこに突っ立ってんだよ?」 「それはこっちの台詞だ。一般生徒はホテルのロビーに集合だろうが。」 「……いや、それがさ。」 「……あ?」 なんだ?嫌な予感がするのはきっと気のせいだ。 「ロビー、どこかわかんなくなっちまってさー。 そうだ!彪流案内してくれよ。な?」 ………な?じゃねーよ。
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