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『・・・お父、えぇから、早よゆーてぇな』
うちが急かすとお父は咳払いをして
「いやな、菫。お前――
壬生浪士組――いや、
新撰組て知っとるか?」
『うん、知ってる。
京の都の――・・』
「そうや」
お父はうなずいて続ける
「その新撰組がやな・・・女中を募集してるらしい。」
真剣なお父と裏腹にうちは卵焼きを口に運びながら耳を傾ける
『―――で?』
「で、やな・・・
お前、新撰組の女中にならへんか?」
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