存在

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ドンドンッ!     ん…誰だよ……     『戒…!起きて、遅刻するわ』    ドンドンッ!     ドアの向こうで母さんが俺を起こす…     もう朝か…さっき帰ってきたばっかな感じする……     『戒!?』   『もう起きたから!』   少しキレ気味口調でのそっと起き上がる。     『わかったわ、お早う戒…朝ご飯あるからね?』     母さんはそう言って居間のほうに下りていった。     もちろん俺は朝ご飯は食べない、金は母さんが十分にくれるから…それに喧嘩で取った金とかね     今は朝の6時、髪やら洗わねぇと…     風呂は好きだが母さんがいるとあまり入りたくない…     『携帯は…大丈夫だな』     きちんと削除されてるかを確認し、俺は着替えを持って風呂場に向かった。     階段を下りて風呂場に向かい鍵を閉める。   一応鍵ついてるけど…なんか不安なんだよな……     俺は服を脱ぎ洗濯機に突っ込む、シャワーの蛇口をキュッと緩めて温かいお湯を全身に浴びる…     『ッ…て……』     殴られた所が少し染みる…後で絆創膏でもはっとこ…       母さんが使ってるシャンプー…まぁ家族なんだから仕方ないが何だか嫌な感じだ…   あの人と同じな感じがして…     だがそうも言ってられないな、あとで香水つけりゃあ匂いもしないし       俺は髪の毛、体を綺麗に洗い流し脱衣場に戻る   バスタオルを腰に巻き、鏡の前に立つ…     歯を磨きドライヤーで髪の毛を整える。   制服に着替えて香水をかける、そして俺の準備は万全、時刻は7時!        『さて、迎えに行くかな!』     目はさっぱり、俺は鞄を持ち玄関に向かう       『戒、今日は早いのね…もう行くの?ご飯は?』   『いらないよ』     靴を履き玄関のドアを開ける       『今日は早く帰ってきてね戒?』   『あぁ…』     それは嫌だ、そんな事を心の中で言い放ち俺は家を後にした。            俺はあんたの人形じゃない、俺は、俺だ    
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