存在

5/7
前へ
/87ページ
次へ
ドンドンッ!     ん…誰だよ……     『戒…!起きて、遅刻するわ』    ドンドンッ!     ドアの向こうで母さんが俺を起こす…     もう朝か…さっき帰ってきたばっかな感じする……     『戒!?』   『もう起きたから!』   少しキレ気味口調でのそっと起き上がる。     『わかったわ、お早う戒…朝ご飯あるからね?』     母さんはそう言って居間のほうに下りていった。     もちろん俺は朝ご飯は食べない、金は母さんが十分にくれるから…それに喧嘩で取った金とかね     今は朝の6時、髪やら洗わねぇと…     風呂は好きだが母さんがいるとあまり入りたくない…     『携帯は…大丈夫だな』     きちんと削除されてるかを確認し、俺は着替えを持って風呂場に向かった。     階段を下りて風呂場に向かい鍵を閉める。   一応鍵ついてるけど…なんか不安なんだよな……     俺は服を脱ぎ洗濯機に突っ込む、シャワーの蛇口をキュッと緩めて温かいお湯を全身に浴びる…     『ッ…て……』     殴られた所が少し染みる…後で絆創膏でもはっとこ…       母さんが使ってるシャンプー…まぁ家族なんだから仕方ないが何だか嫌な感じだ…   あの人と同じな感じがして…     だがそうも言ってられないな、あとで香水つけりゃあ匂いもしないし       俺は髪の毛、体を綺麗に洗い流し脱衣場に戻る   バスタオルを腰に巻き、鏡の前に立つ…     歯を磨きドライヤーで髪の毛を整える。   制服に着替えて香水をかける、そして俺の準備は万全、時刻は7時!        『さて、迎えに行くかな!』     目はさっぱり、俺は鞄を持ち玄関に向かう       『戒、今日は早いのね…もう行くの?ご飯は?』   『いらないよ』     靴を履き玄関のドアを開ける       『今日は早く帰ってきてね戒?』   『あぁ…』     それは嫌だ、そんな事を心の中で言い放ち俺は家を後にした。            俺はあんたの人形じゃない、俺は、俺だ    
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4045人が本棚に入れています
本棚に追加