4045人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
パタン…
俺は静かに玄関のドアを閉める。
だけど意味はなかったらしい…
『戒!?』
勢いよく俺の元に走ってくる母親、これも見慣れた光景だ。
『遅かったじゃない、怪我してるわ…誰がこんなひどい事…』
殴られた場所をさする母さん…
『いいから、もう疲れたから寝るよ』
今は夜中の3時…普通起きてるか?寝てろよ…
『だめっ!すぐに手当しなきゃ…明日は病院に…口の中は切ったの?戒…戒……痛いでしょ?可哀想に…』
『いいからって!病院に行くほど大したことじゃない』
俺は母さんの手を振りほどき自分の部屋に向かう
『携帯はどうしたの?連絡はちゃんとして、でなきゃ携帯止めるわ』
それは困る…結花とも連絡が取れない
『わかったよ、母さんももう寝ろよ…』
『絶対よ?約束だからね?』
俺は母さんを無視して階段を上り、自分の部屋に入った。
パタン…カチャ
ドアのカギを閉めて俺はベッドにドサッと倒れ込む
『ッ…はぁ~早く卒業してぇ…』
母さんから解放されたい、束縛されたくない…
自由じゃない生活なんてつまらない
♪~…♪~
ふと携帯のメール受信音がなった。
『結花かな?』
そんな事を思い画面にうつる相手を見る
母さん…?
〈お休みなさい戒〉
〈お休み〉
適当にメールを打ち返しベッドに潜り込む…
『まじ勘弁してくれよ……』
異常なまでに息子を心配する母親…
あの人は…俺を1人の男として見ている。
自分で生んだ子に恋をするってどうなんだ?
気持ち悪い…
最初のコメントを投稿しよう!