第一章

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「族やめたってどういうことだよ!!つーか、なんで俺が総長なわけ!?」 がっくん!がっくん!がっくん! 胸倉を掴んで強く揺さぶられる。 落ち着くんだ桜花。暴力では何も解決しないぞ。 現にお兄ちゃんは酸欠で死にそうだ。 「お、桜花君?そろそろ腕を離したらどうかな?龍牙が死にそう。」 そんな俺の心境を悟ったのか、圭介が桜花にいうと、桜花はハッとなって腕を離した。 「…………わりぃ。」 軽く咳込む俺に、少し反省したのか、小さな声で謝る。 ………ふはっ、ツンデレだな。 「でも、なんで族やめたんだよ?」 ………ちっ、まだ覚えてたのか。 何て答えようか? まぁ、ここは妥当に、 「…………母さん命令だ。」 これに限るな。 ………別に嘘はついてない。
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