第一章

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桜花Side 理事長室に向かいながら、ちらりと横にいる兄貴を見る。 兄貴の綺麗な紅い髪は今は真っ黒な鬘でおおわれている。 俺と同じオタルックなかっこうをしているにも関わらず、なんだか色気が溢れているような感じがするのは、きっと気のせいではないだろう。 ふと、昨日のことを思い出す。 PHANTOMのメンバーから、急にかかってきた電話。 何事だろうかと思って出てみると 「幻姫さんっ!?総長が、族をやめるって………!!」 そんな慌てた声が耳に届いた。 一瞬焦ったが、明日兄貴がこの学園に来るのなら、その時に問い詰めようと思い、電話を切った。
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