第一章

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正直にいうと、俺は兄貴がこの学園に来るのは反対だったんだ。 だって、この学園には、CARDのメンバーとPHANTOMのメンバーがほとんどがいるから。 特に、幹部の奴らは全員集合してやがる。 それだけであれば別に構わないのだが、迷惑なことに、そいつら全員が兄貴に恋愛感情を持ってやがる。 本当に兄貴は厄介な連中にばかり好かれやがる。 今、目の前にいる足立 圭介だって例外ではない。 こいつも兄貴のことが好きなんだ。 本当に厄介。 「兄貴は俺のもんなのに」 小さくぽつりと呟いた言葉に、足立がぴくりと反応した。 足立のほうを見るとおもしろいくらい顔を赤く染めてキレていた。 まるで兄貴は俺の物じゃないというように、こっちを睨みつけていた。 ………上等だ。 兄貴に、顔を見られないようにして、足立にニヤリと笑う。 「兄貴は渡さねぇよ。」 これは、小さな宣戦布告。 絶対誰にも渡さない。 桜花Side 終わり
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