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「ふ、副総長。」
ある日、PHANTOMのたまり場である幻想曲で、一人の男が手に紙を握りしめて震えていた。
その異様な光景に周りの者達は息をのむ。
「ふふっ、ははははっ。」
「ふ、副総長?」
そして突然笑い始めた男に周りはドン引き。
男が手に握っている紙をちらりと見れば、そこには見覚えのある字で文字が綴ってあった。
「あぁ、そうか。これは夢なんだ。しかも、とてつもなく悪い夢。
早くこんな夢から覚めてシフォンケーキを作ってやらねぇといけないんだ。
なぁ、総長?」
バタンッ!!
「ふ、副総長?副総長!!おい、誰か!!副総長が、副総長がぁぁっ!!」
倒れた男が運ばれていく際、さっきまで握っていた紙がぱらりと落ちた。
それを拾い上げ、中身を見ると
『拝啓、PHANTOMの皆様。
この度、急な事情によりPHANTOMを辞めることになりました。
次の総長は弟の幻姫です☆
あ、異論は認めないので悪しからず。
愛しの総長より』
その日、幻想曲にPHANTOMメンバーのたくさんの悲鳴があがったのはいうまでもない。
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