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「うわ、でっか。」
目の前にある学園を見てぽつりと呟くと、隣にいる幼なじみがクスクスと笑った。
「………笑うなよ、圭介。」
じろりと幼なじみの足立 圭介を睨む。
「いや、悪い悪い。龍牙があまりにも素直で可愛かったからさ。」
………それは褒めてんのか?
とりあえずむかつくから軽く蹴ってやった。
「なんで俺、今蹴られたの!?」
「うるさい黙れ、叫ぶ暇があったら桜花を口説けヘタレ野郎。」
「いやいや、なんでそうなるの!?」
んなもん、お前が桜花の攻め要員の一人だからに決まってんだろーが。
圭介の場合ヘタレ攻めが妥当だよな。
ちなみに、桜花っつーのは、俺の可愛い弟だ。
桜色の髪に透き通るように綺麗な紅い瞳。さらに、きめ細やかな白い肌。
とにかく、天使みたいに愛らしいんだ。
そんなことを思いながら、改めて目の前の学園を見る。
見た感じ、城にしか見えないこの学園は、全寮制の男子校。
しかも、エスカレーター式なため、恋愛対象は自然と同性へと向かう。
まさに王道。
やべっ、考えただけで鼻血がでそう。
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