第三章 疑─九尾狐

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麗次郎に言われてから10分が経ち、やっと半助に掛けられていた業が解けた。 半助は急いで麗次郎を助けに行った。 「やっと来たか…待ちくたびれたよ。」 すっかりボロボロになった麗次郎の肩をポンと叩き、コクリと頷くと、半助は足早に九尾狐へ向かって行った。 スタタタタ…。 そして、思い切り九尾狐の左前足へ斬り掛った。 グバシッ。 もう一振りして、左前足の筋を切断し、完全に動きを奪った。 ズバッ。 「おしっ!」 九尾狐は右前足で半助を地面に叩きつけた。 ベシィィィンッ。 「ぐはっ。」 麗次郎は直ぐに駆け出した。 「半助っ!?」 よたつきながら、半助は立ち上がった。 「だ…大丈夫だ…。」 麗次郎は九尾狐の右前足を攻める。 ズガッ。 九尾狐は鋭い爪で刀を受け止めた。 麗次郎と九尾狐が押し合いをしていると、半助が九尾狐の隙をみて斬り掛った。 ズバッ。 「ぎゃぁぁぁっ!!!」 痛みを堪えれずに叫びを上げている間に、麗次郎が尾を切り落としに後ろへ向かう。 それに気づいて、九尾狐は麗次郎を鼻で強く振り払った。
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