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して、動けずにいる。
この男は麗次郎との出会いにより、後に運命を左右されることになる。
男の名は菅半助─
年齢は23歳程で、霊感が強く、武士でありながら、結構な小心者である。
麗次郎が河童に向かい、ガッと睨みを利かす。
すると、一瞬だけ麗次郎の瞳が赤く色づき、睨みつけられた河童はその場から静かに泳ぎ去った。
それを目にした半助は何度も目を擦り、麗次郎に声をかける。
「き…君は一体?」
しかし、麗次郎はにっこり笑い質問を返すだけだった。
「私が何か?」
妖怪討伐部隊を起こしたお役所に到着し、殿方仙田と半助は局長深津と会議を始めた。
その間麗次郎はと言うと、帰りを待って船番。
暇を持て余していた…。
ザババンッ。
先程の河童が河から上がってきた。
「あぁ…お前か。」
麗次郎は優しく河童に声をかけた。
河童も麗次郎に声をかける。
「ナゼ、オマエハニンゲンニナリスマシ、ヒトトクラシ、ヒトヲタスケル?」
麗次郎は苦笑を浮かばせながら応えた。
「人間全てが悪い者ばかりではない、悪い者も居れば、善き者も居る…それは人間に限ったことじゃない、我ら妖もまた同じ。」
河童はそれに頷く…そしてまた話しだす。
「シカシ、ヨウカイガヨウカイタイジ
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