第一章 幻─接触

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して、動けずにいる。 この男は麗次郎との出会いにより、後に運命を左右されることになる。 男の名は菅半助─ 年齢は23歳程で、霊感が強く、武士でありながら、結構な小心者である。   麗次郎が河童に向かい、ガッと睨みを利かす。 すると、一瞬だけ麗次郎の瞳が赤く色づき、睨みつけられた河童はその場から静かに泳ぎ去った。 それを目にした半助は何度も目を擦り、麗次郎に声をかける。 「き…君は一体?」 しかし、麗次郎はにっこり笑い質問を返すだけだった。 「私が何か?」   妖怪討伐部隊を起こしたお役所に到着し、殿方仙田と半助は局長深津と会議を始めた。 その間麗次郎はと言うと、帰りを待って船番。 暇を持て余していた…。   ザババンッ。 先程の河童が河から上がってきた。 「あぁ…お前か。」 麗次郎は優しく河童に声をかけた。 河童も麗次郎に声をかける。 「ナゼ、オマエハニンゲンニナリスマシ、ヒトトクラシ、ヒトヲタスケル?」 麗次郎は苦笑を浮かばせながら応えた。 「人間全てが悪い者ばかりではない、悪い者も居れば、善き者も居る…それは人間に限ったことじゃない、我ら妖もまた同じ。」 河童はそれに頷く…そしてまた話しだす。 「シカシ、ヨウカイガヨウカイタイジ
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