15人が本棚に入れています
本棚に追加
ブゥゥゥゥン。
ドガッ。
「っ…ま、未々ぁ…。」
麗次郎は振り払われてもまた、直ぐに向かっていく。
そんな時、何処からともなく小太刀が飛んで来て、九尾狐の右前足に刺さった。
「一体誰が…。」
半助が、先程入ってきた鳥居の上に視線を向けると、そこには金色の瞳と白髪の青年が四ん這いで座っていた。
「おう銀!!随分やられてんじゃねぇか、手ぇ貸してやろうか?」
その懐かしい声に、麗次郎は思わず声を出す。
「その声にその口調…しかも、私を銀と言うやつは一人しか居らん、犬神の銀狼太か!!」
半助が麗次郎に訪うてきた。
「し…知り合いかい?」
その訪いに、麗次郎は直ぐに応えた。
「迎えに行こうとしていた古くからの友人さ!!」
半助は目を真ん丸くして、銀狼太を見て言った。
「古くからの友人とは妖だったのか…。」
銀狼太が鳥居の上から勢いよく飛び下りてきた。
「宜しくな、人間。」
半助に手を差し出して満面の笑みを浮かべながら言った。
半助は握手を交しながら言う。
「僕は人間と言う名ではなく、菅半助と言います、宜しく。」
最初のコメントを投稿しよう!