15人が本棚に入れています
本棚に追加
挨拶を済ませた銀狼太は早々に犬神へ変わった。
「情けない銀に変わって、俺が相手をしてやるぜっ!!」
麗次郎は不機嫌そうに刀を握り、駆け出す。
半助も後に続いた。
銀狼太は自慢の爪で九尾狐の鼻をひっかく。
ズバッ。
麗次郎が遅れ気味に右前足を斬りつける。
半助も右前足を斬りつけ、直ぐ様その場から離れた。
九尾狐が体勢を崩し、麗次郎らを睨みつける。
銀狼太はゆっくり九尾狐に近寄って、右前足から小太刀を抜いた。
九尾狐が口を開く。
「約束ですから、道を開きましょう…。」
先に白い鳥居が現れる。
しかし、麗次郎は先には進まずに、来た方の鳥居へ向かって歩き出した。
「九尾狐…すまないね、友人を迎えに行こうと思っていたが、友人自ら出向いてくれた故、戻るとするよ!」
すると、銀狼太が呼び止めた。
「おいおい、ちょっと待てよ、里の奴らがお前に会いたがってんだ…折角だから寄ってけ!!」
それを聞いた麗次郎は、新しい鳥居の方へ向き直した。
「実はよぅ…俺も銀を迎えに行こうと思っていたんだ。」
最初のコメントを投稿しよう!