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鴉天狗と酒を酌み交す夜叉丸。
昔話に華が咲いた様に、ご機嫌な様子だ。
「がははははっ、あのクソガキもあんな大きくなりやがってなぁ、ガキの頃は素っ裸でそこらを走り回ってよ…ブツクサブツクサ。」
銀次郎は一瞬笛を吹く手を止め、横目でチラリと夜叉丸を睨み、また笛を吹く。
上機嫌の夜叉丸が半助を大声で呼んだ。
「おぉ~い半助とやら、一緒に呑まぬか?銀次郎のガキの頃の面白い話を聞かせてやるからよっ!!」
銀次郎は慌てて夜叉丸の口を塞ぎに行った。
そこから親子喧嘩が始まり、夜叉丸の拳が振り上がった。
ゴツンッ。
銀次郎の頭に勢いよくゲンコツが下りて、銀次郎は頭を両手で抱え、その場にしゃがみ込んだ。
眼には涙がうっすらと滲んで居る様だった。
「っ…………。」
半助はソロソロと銀次郎に近寄って声を掛けた。
「銀次郎、大丈夫か?」
そこへ銀狼太が来て言う。
「面白いだろ?半助、鬼が鬼に叱られてる様はそう見れるもんじゃねぇ、しかと頭に焼き付けとけよ!!」
銀次郎と夜叉丸の鋭い視線が、銀狼太に向いた。
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