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銀狼太はその視線を反らす様に後ろを向くと、犬になって駆けて行った。
その様子を見て、半助は苦笑いするしかなかった。
「ははっ…ははははっ…はぁ。」
夜も更け入った頃─
銀次郎、半助、銀狼太の三人は古屋の中で、草賀について話を始めた。
「九尾狐の穴に、草賀は何用で入ったのだろうか?」
半助が疑問を訪い掛ける。
銀次郎がそれに応えた。
「…黄泉のマガタマ以外に必要な物があったとするならば、恐らく…傀のマガタマか。」
銀狼太がそれに続ける。
「黄泉のマガタマと傀のマガタマで出来ることっつぅたら…アレか?」
半助がまた質問を投げ掛ける。
「アレ…とは?」
銀次郎は眉間に皺を寄せながら言う。
「…操りだ。」
銀狼太はコクコクと頷き話す。
「人間の悪いもんを、黄泉のマガタマで妖にして、それを傀のマガタマで操るって訳だ。」
半助はひたすら関心して頷いていた。
「……っと、関心してる場合じゃないのではないか?早々に花ノ絵町へ戻った方が…。」
銀次郎と銀狼太が揃って半助に言った。
「今日は……寝ろっ!!」
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