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最近、夜に妖が多発していると言う仙田の城内で、深津、半助、麗次郎含む討伐部隊が控えていた。
そして、宵更けた月夜の刻、女の悲鳴と共に討伐部隊が動き出した。
「きゃぁぁぁぁぁっ!!!」
「っ!?」
バッ。
ダダダダダダ…。
駆け付けた部屋には、餓鬼や飛頭が溢れかえっていた。
別の部屋からも悲鳴が響きわたり、深津と半助が駆け付けると、そこには猿の頭に虎の手足、狸の胴に蛇の尾をした妖、鵺が妖艶な立ち姿で構えて居た。
「グルルルゥ…。」
深津が刀に手を添え、静かに身構える。
スッ…。
半助は相変わらず恐怖におののいて震えている。
暫しの沈黙が流れた…。
そして、沈黙を断ち切るが如く半助が声を上げた。
「そう言えば、深津局長!先程から麗次郎が見えませぬが…一体、何処へ?」
すると、それに応えるかの様に笛の音が聞こえ、白銀に輝く髪をなびかせた、一本角の見るも美しい鬼、銀夜叉が姿を現した。
「新手か?」
深津は息を飲んだ。
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