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「その化粧、お前も魅鈴にしてもらったのか?」
「いえ、私はイリア様に。流石に私までが魅鈴さんのお手をわずらわせるわけにはいきませんので」
イリア……ね。
だからちょっとあいつらと化粧の仕方が違ったのか。
なんかこっちの方が、高貴って感じがする。
「ちなみに、今イリア様は隣で怜璃さんの化粧をしております」
イリアが怜璃に……?
よく人間嫌いのイリアがそんなことするな。
「んで、俺の着る服ってのはお前が持ってるその真っ黒いジンベイ?」
「はい!そうです!私が選んだんですがお気に召しましたでしょうか?ちなみに私とペアルックなんです!」
魎恋は嬉しそうにそう言い、俺のジンベイにも自分が着ている浴衣のように金色の草花の装飾がされていることをアピールする。
「…………うん、超嬉しい」
ペアルックにしたって今日の祭で俺とお前が二人っきりで歩くことはないのにな。
まぁペアルックってこと自体に意味があるんだろうが……どうせペアルックなら鳳月とがよかったなぁ。
「そうですか!私も超嬉しいです!主っ!」
ま、コイツとペアルックでも悪かないけど。
そんなことを思うと、何故か笑ってしまう。
そして俺は魎恋からペアルックだというジンベイを受け取り、着替えた。
◇
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