хⅣх~最後の夏は~

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「確かにアンタの仕事はこの私を護ることよ……?それがアンタがここにいる理由で、そのおかげで私がこんなにも自由に生活出来てる。……わかってる、そんなことはわかってる。でも……!」 鳳月はこぼれそうになる涙をぐっと堪えて、横になった姿勢から腕を使ってバッと上半身を上げた。 「嫌なの!私のせいでアンタが傷付いて!私を護るためにアンタが死にそうにまでなるなんて!……わがまま言ってることはわかってる。だけど、私何度も言ってるじゃない……!私何かの為にアンタが傷付かないでって……!」 涙を流しながら、吐き出すように鳳月は言う。 「鳳月……」 「やめてッ!」 抱き寄せようとした俺の手を弾き、鳳月は拒絶する。 「そうやって優しくしないで!アンタのその優しさが……その優しさのせいで私の心が傷付いてんの!……私なんかに優しくしないでよ……冷たく当たってなさいよ……アンタがそんなんだから…………私の心がこんなにも傷付いてんじゃないのよッ!」 全てを吐き出す。 溜まっていたもの。 突っ掛かっていたもの。 もやもやしていたもの。 ずっと抑えていたもの――全てを。 涙と一緒に。 「アンタが本当に私の全てを護るって言うんなら……私が傷付くようなことやめてよ……」  
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