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「お前が居ると嬉しい。お前が隣にいるとドキドキする。お前の笑顔が俺の幸せ。お前の怒りが俺の悲しみ。お前の涙が俺の後悔。お前の存在が俺の生きる糧。…………本当は違うのかもしれない。だけど、だけどやっと見付けたんだ――『愛する』って感情を」
「鳳月」
「……何よ」
「いきなりですまないと思ってる。お前が訴えたこととは何の関係もないことだし、お前が本当に聞きたくて知りたい内容じゃないのはわかってる。だけど、これだけは知って欲しかったんだ――お前だけには」
何よ……本当に。
「私は――むぐっ!?」
コイツは突然、喋ろうとした私の口を塞いだ。
そしてさっきのことが嘘みたいに、コイツはムカつく笑顔を向けて私にこう言った。
「勘違いはすんなよ?これは告白なんてもんじゃねぇぜ?ただの気持ちで知って欲しかったことだかんな。まさか、マジで告白だと思って今返事しようとしてた?」
なっ――!!
「ちっ、違うに決まってんでしょっ!誰がアンタなんかに返事なんかするってんのよっ!」
「ハハッ!そういうことにしといてやるよ」
コイツはそう笑って私の頭を掻き回し、ヒョイッと飛んで私の前に立った。
「鳳月!もう一つ、俺の真実を見てくれ」
コイツはそう言うと、目をつぶって天を仰ぎ、ゆっくりと息を吸い――吐いた。
すると、コイツの白銀に染まった髪が、輝くような黄金へと染まっていった。
そしてゆっくりと開いた瞳も、黄金へと染まっていた。
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