хⅣх~最後の夏は~

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  「お前が居ると嬉しい。お前が隣にいるとドキドキする。お前の笑顔が俺の幸せ。お前の怒りが俺の悲しみ。お前の涙が俺の後悔。お前の存在が俺の生きる糧。…………本当は違うのかもしれない。だけど、だけどやっと見付けたんだ――『愛する』って感情を」 「鳳月」 「……何よ」 「いきなりですまないと思ってる。お前が訴えたこととは何の関係もないことだし、お前が本当に聞きたくて知りたい内容じゃないのはわかってる。だけど、これだけは知って欲しかったんだ――お前だけには」 何よ……本当に。 「私は――むぐっ!?」 コイツは突然、喋ろうとした私の口を塞いだ。 そしてさっきのことが嘘みたいに、コイツはムカつく笑顔を向けて私にこう言った。 「勘違いはすんなよ?これは告白なんてもんじゃねぇぜ?ただの気持ちで知って欲しかったことだかんな。まさか、マジで告白だと思って今返事しようとしてた?」 なっ――!! 「ちっ、違うに決まってんでしょっ!誰がアンタなんかに返事なんかするってんのよっ!」 「ハハッ!そういうことにしといてやるよ」 コイツはそう笑って私の頭を掻き回し、ヒョイッと飛んで私の前に立った。 「鳳月!もう一つ、俺の真実を見てくれ」 コイツはそう言うと、目をつぶって天を仰ぎ、ゆっくりと息を吸い――吐いた。 すると、コイツの白銀に染まった髪が、輝くような黄金へと染まっていった。 そしてゆっくりと開いた瞳も、黄金へと染まっていた。  
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