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鳳月の前から消え、能力を使って移動した先は、極寒の北極(ていうか年中極寒)だ。
あえて国名を言うなら、グリーンランド。
日本との時差の関係により、今ここはだいたい朝7時過ぎぐらい。
つまり明るい。
また日光が雪に反射して、結構眩しい。
まぁそんなことはともかく、ここが今回の対戦場所なんだよね。
つっても、随分と予定が崩れた為、二時間くらい早めに来ちゃったんだかな。
でもま、相手の方は俺よりも早く来ていたみたいだがな。
「おっすーシン。随分と早いじゃねーの。それに何だよそのカッコー。もしかしてそれがジャパニーズのセントースタイルだったりすんのー?」
しまった……ついうっかりしてジンベイ着たまま来ちまった。
「ちげえっつーの。これはただの正装だ。つかラナの方が早ぇじゃんかよ」
ラナ――本名セイラーナ・S・ミュムール。
《水の王女》と呼ばれし、水を自由自在に操る《白い鴉》の《0№Ⅵ》だ。
旧友であり、戦友であり、恩人でもある、《鴉》所属時代の俺の唯一の友達だった奴。
お互い手の内を知り尽くした仲だ。
「いやシン。それがドレスじゃねーことぐらい私様は知ってるつーの。つかシン。勘違いすんじゃねーぜ?誰が愛しい愛しい旧親友に会いてーからって、泊まり込みで昨日からこんなクソさみーとこにいるかよ。私様は時差のことを忘れてたまたま早く来ちまっただけだっつーの」
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