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俺の名前は神田 瑞希
俺は今まで吸血鬼の存在を否定していた。だけど、ある出来事で認めざるえ得なくなった。
その出来事は…一週間前にさかのぼる…
いつものように学校が終わり、1人で帰っていると微かだけど銃声の音が聞こえた。あたりを見回したけどどこも異常はなかった。
そして、少し歩いているうちに、目の前の景色が歪みその中から、黒い髪の毛に吸い込まれるような銀の瞳をしている青年が現れた。そして、ゆっくりと体が傾いていった。
「危ない!」
俺は咄嗟にその青年の体を支えた。
「おぃ、大丈夫か!?」
何度声をかけても返事がない。死んだ…わけじゃないよな…
「あんた、一体どうしたんだよ……」
呟くように言いながら青年の体を見ると所々服が破れていて血が流れていた。
だけど、それよりも驚くものが青年の体にはあった。
「翼?……」
闇に解けるような漆黒の翼は、明らかに青年の背中から生えていた。
「嘘だろ…」
人間には翼は生えてないよな…って、何当たり前なこと言ってるんだよ俺。
もしかしてこいつ…悪魔?でも、ありえないし…じゃあ、アニメでいうキメラ?……アニメの見すぎだな…
「もしかして…吸血鬼?…何言ってんだよ。あんなの迷信だ居るわけがない」
俺は、深く溜め息をつくと青年がゆっくりと目を開けた。
「あっ、目覚めたか?」
「俺は、一体……」
「最初ビックリしたぜ。いきなり目の前から現れて倒れたから」
「そうか…すまない迷惑をかけた」
と、言って俺から離れると、閉じていた翼を広げたが肩に出来た傷が痛んだのか肩を押さえ片膝をついた。
「おい、そんな体で何処行くんだよっ」
「あいつらを止める」
「やめろって、どんな事情があるか知らねぇけど、今行ったら絶対死ぬって」
「死ぬか…一度捨てた命だ…死ぬことなど怖くない」
その一言でキレた俺は、出会って間もない青年の頭を殴った。
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