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飛ばされ、木に激突したハルカは小さく呻き声を上げたが、すぐ立ち上がった。
『神田 瑞希は…このようなことでは死なない』
「黙れ、速く瑞希にかけた術をとけ。」
『我は、導いただけだ。』
「………風を纏いし、刃を作る。我、命じて解き放つ」
瑞希が、小さく呟くと風が吹き荒れ。誰も近づけなかった。
「瑞希!!」
ハルカが、瑞希の名前を叫ぶと小さく肩が震えるのが見えた。
「もう、やめろ!!」
瑞希を守るように強風が吹き上げる中をハルカは、一歩一歩瑞希に近づいた。
「お前はまだ、死ねないんだろ!だったら、やめるんだ!! 」
『無駄なことを』
「………ハルカ……」
瑞希は、小さい声ではあるが、しっかりとハルカの名前を呼んでいた。
『なに!?』
「瑞希……戻ってこい。まだ、間に合う」
『させぬ、させぬぞ。ハルカ王子!』
「ちぃっ、やっぱりあいつの仕業かよ」
「うわぁぁぁ、頭が…割れる……」
頭を抱えて蹲る瑞希の体は限界だった。
『光と闇は表裏一体、光は導き、闇は惑わす』
「閉ざし光を解放し、隠れし闇を打ち砕く。出でよ、光と闇を統べる者よ!フェザードラシエル」
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