第四章 悲しみ

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剣を抜いた瑞希は、いつもと何か違う感じがした。 「なんだこの剣……」 「水龍剣だ!水の魂を宿している。お前の魔力と相性はいいはずだ。存分に戦え瑞希!」 「水龍剣……」 《使いこなせた奴は居ないという剣》 「大丈夫だ、ドラシエル。瑞希には、秘めた力がある」 瑞希は、剣に魔力を込めると鼓動のように剣が光出した。 〔我が力、使えし者現れるとき封印は解かれ、天空より使者が舞い降りる〕 頭の中に直接入ってくる声。瑞希は、それを無意識に呟いていた。 『天空より使者が舞い降りるだと、笑わせるな』 「まだ、気づいてないのか。この静かに近づいてくる、魔力に」 ハルカは、男にそう言うとドラシエルは空に羽ばたいた。 「お前を、ここに送り込んだのは誰だ」 『ハルカ様がよくご存知方』 瑞希の質問に答えていくうちに、曇っていた空に一筋の光が現れ澄んだ綺麗な鳴き声が聞こえた。 《来るぞ、滅多に降りてこない奴が》 〔永い眠りから醒ましたのは、誰だ〕 姿を現したのは、青い色の鱗で覆われたドラゴン。 瑞希は、その姿をみて言葉を失った。
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