第四章 悲しみ

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「ハルカ様!」 南は走ってハルカに近づいていき、空から舞い降りるドラゴンをみて動きを止めた。 「あれは……水龍…」 『馬鹿な!伝説のドラゴンを目覚めさせるだと!』 「瑞希は、俺より強い」 ハルカは、そう言うと剣を構えた。 《ハルカ、これは。瑞希の戦いだ手出しは出来ない》 「ドラシエル、俺はあいつの支えになりたい。何があったとしても」 《ハルカ…わかった》 『まだ、力は完全ではないはず。今、倒しておけば』 〔甘く見られたものだな…力が完全ではないと……〕 「水龍行けるか?」 〔行けないとでも思っているのか。我が主よ〕 「聞いてみただけだ」 瑞希は、男に向かい走っていき剣を振りかざした。 『!!』 相手を傷つけることは出来なかったが、着ていた服は裂けそこから見えたのは、瑞希の腕にある痣と同じ模様 「王族の証……」 『ハルカ様、今日はここで引き上げます。ですが、次に会うときは覚悟してください』 「ふざけるな!」 ハルカは、魔力を右手にためそれを男に向けて放ったが、男は時空の歪みの中に消えていった。 〔王族の者との戦いか……我が眠りについてから、幾つ年月が過ぎた〕 《半世紀以上お前は封印されていた》 〔ドラシエル…半世紀以上、我はそんなに寝ていたのか〕 「ハルカ……」 瑞希は、ハルカに近づいたが急に足の力が抜け、瑞希は尻餅をつくように後ろに倒れた 「瑞希、大丈夫?」 近づいてくる南とハルカ。だが、ハルカは瑞希をみるなり頭を殴った。
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