第六章 迷い

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もう迷わないって決めたはずなのに……何で俺は、あの夢をみる度に怯えているんだ。腕の痣が痛む…… 朝が来る度、まだ生きてると実感する。 ハルカたちは、朝から顔色の悪い俺を心配してくれる 「瑞希、今日は移動するが大丈夫か。」 「大丈夫……」 「魔力が安定してないし、それに気の乱れが激しい」 南は、瑞希を見ていると目の下に隈があることに気付いた。 「ちゃんと、寝てないみたいだね」 南の一言でハルカの眉間にシワがよったのが見えた。こういうとき、ハルカ怒ってんだよな~。 「無理やり寝かせた方が良かったか……」 「寝てないんじゃなくて、寝れないんだ!」 「寝れない?なんで?」 「あの、夢をみるんだ」 「だが、あれは幻だと言っただろ」 「やけに、リアルなんだよ。手に暖かい感覚が残ったりして……」 「気分が悪かったら、言って。瑞希はすぐ無茶するから」 瑞希たちは、宿屋から出ると歩き始めた。 「ハルカ何処に向かってるんだ?」 「ジン様の所だ」 「なるほど、ジン様なら何か知ってるかも知れませんしね」
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