第六章 迷い

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「あのさ、ずっと気になってたんだけど、そのジン様ってだれ」 「ハルカ様の剣の師匠であり、魔界では名の知れた薬師だよ」 ーーハルカの剣の師匠!?あれだけ剣を扱えるのにまだその上を行く人がいるなんて! 「まだ、あの方の呪いは解けてないんでしょうか」 「あの呪いはそう簡単には解けない」 また、二人だけが分かる会話が始まった。 よし、まとめよう。 ジン様は、ハルカの剣の師匠であり有名な薬師。そして、何らかの呪いがかけられていて、悩まされている。 ……なんか、スゴい。 「だが、着くのには時間がかかるだろう。それに、お客さんだ。」 ハルカは、腰にさしていた剣を鞘から抜いた。 「居るんだろ、隠れてないで出てきたらどうだ」 「ちっ、バレてたのかよ」 林の中から声が聞こえるとそこから現れたのは瑞希と同じくらいの青年だった。 「なんのようだ、グレル」 「やっぱり戻ってきてたんだな。死に損ない」 「質問に答えろ」 俺は、グレルという青年を見ていると不意に目があってしまった。そして、小さく笑われた 「そいつが、神田 瑞希?」 「お前には関係ないだろ」 「冷たいこと言うなよ、ハルカ王子」 「知っているはずだ、俺がもう王子じゃないということを」 「あ~。それに、神田 瑞希のことも」 「俺のこと?」 「そうあんたのこと」 すると、グレルの姿が一瞬に消え次に姿を現したのは瑞希の目の前だった。
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