心配

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 オルトガとシヴァールは、夜の回廊を歩いていた。  二人が向かっているのはアディルの部屋だ。  オルトガもシヴァールも、何も言わない。  そうして一言も話をすることなく、目的の場所についた。  オルトガが、目でシヴァールに先にと促す。  立場としてはオルトガの方が上だ。  だが、シヴァールはフォーゲルの勅命を受けている。  それを考えれば、シヴァールが先に行くのが当然だった。  軽く扉を叩くと、すぐに女官が顔を出した。
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