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流れていく景色は、記憶にある街並とあまり変わらない。
やがて馬車は緩やかに速度を落とし、止まった。
扉が開き、馬車を降りる。
監獄を出て三カ月、馬車に揺られたどり着いたのは城だった。
記憶にあるのと何一つ変わらない城を見てアディルが思ったのは、やっぱり、だった。
ここに来ることも、そしてこれから誰に会うのかも、アディルには予想がついていたのだ。
「アディル・サグラート殿、ご案内します」
「お願いします」
騎士の案内で、アディルは城の中に入る。
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