1-1 プロローグ

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私はなぜか「残り1分」という言葉に焦らされ、 何も深く考えないまま応募フォームに必要事項を即入力しました。 『ご応募ありがとうございました。 あなたは「残り0.12秒」で応募された方です。 発表は発送をもって返させて頂きます』 私は一旦胸を撫で下ろしました。 そして、よく考えてみます。 (あれ…?これ━・‥…やばくない?) こんな怪しい懸賞に名前や電話番号、住所までも、全てを入力した私は、史上最悪のドアホです。 どんなセールスや詐欺師が来ても、この時代です、おかしくないでしょう。 後悔しても後の祭り。 私は「あ~~~!」と、叫びながら部屋中を歩き回りました。 と、その時です。 『トュルルルル』 いきなり固定電話が鳴り出しました。 一人暮らしのため、私しかその電話に出る人はいません。 (さっそくセールスか!?) 心臓をドキドキさせながら、震える手でゆっくり受話器をとりました。 「も、もしもし・・・?」
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