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中身は一般入学枠30人に対しての受験者情報であった。
南陽の試験は国語、数学、英語、理科、社会からの3科目選択制である。どれを選ぶも個人の自由だ。
それプラス面接であり、総合的に優秀なら誰が入学しようが構わないのである。
ちなみに受験料は無料で、一般入試で入学すれば最初の半年の授業料は免除。さらに学年主席又は次席をキープし続ければ1円も払うことなく卒業出来る。
今年の入試、噂では過去最高の難しさである。
敬と美羽がチャレンジしても駄目だった。二人は去年一年ずっと主席だったにも関わらずその入試のある一問に手も足も出なかったのだ。
「水沼……小春……」
敬が徐にその名前を口にすると梓の落ち着きかけたテンションが急上昇する。
「やべぇよ、こいつ! 満点だってさっ!!」
南陽の入試で満点を取った人間は過去にはいない。
美羽は編入生なのでそこにはカウントされていないのだ。
「面接も……満点なんですか?」
「みたいだな。しかも、もっとすごいのは全科目満点ってことだ」
「…………え?」
「だから、こいつ、5科目受けてんだよ。ほら、普通は得意なやつ3科目だろ? だけど、この女、時間内に全科目クリアしてる。で、時間内どころか、開始100分で退室」
入試は休憩無しの180分ぶっ通しである。
90分経てば会場からの退室は可能であり、退室順番に面接が行われる。
100分で退室=33分一科目計算だが彼女は5科目だ。単純計算しても一科目20分。
「すごい……」
「こいつ頭の回転半端ねーよ。水沼小春、一般入試の成績を見る限りお前以来の秀才だ」
梓は愉快そうに髪を掻き上げてニヤリと笑った。
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