迷子の子猫ちゃん

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「……ま、いいか」 「はい。では」  会長と副会長の奇妙なやり取りに辺りは俄かにざわめく。  美羽は梓の制服の袖をぐいっと引っ張った。 「良いのっ?!」 「何が」 「敬よ、敬っ!」 「大丈夫だよ、美羽ちゃん」 「何処がっ!?」 「全部、大丈夫だからね?」  自由な発言に美羽が眉間に皺を寄せる。  他の皆も大方は美羽と同じ気持ちであった。 「敬は探しに行ったんだ、新入生代表を。あいつの言う通り時間には来るさ」 「それじゃぁ……」 「だからね、大丈夫なの。敬は儀式には忠実だから。任せておけば問題は起こらないよ」  俊宏は美羽に愛想良く微笑んでピースサインを出した。
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