迷子の子猫ちゃん

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 そんな信頼を受けている敬は宛もなくさ迷う。決して迷子などではない。  目的を定めない散歩もたまにはしてみたかったのだ。  もちろん、新入生代表を探す役割を忘れてはいない。 「と、言いましてもね……」  校内は無駄に広く、一回りするだけで半日は消える。  ゆったりゆとりを持って探せば入学式どころか日も暮れてしまうだろう。  よく、道に迷う人が居るが大抵歩いていれば見知った道に出る。  しかし、新入生はそこまで学内を熟知しているはずもなく……。  敬もなかなか難題の課題に溜め息が零れてしまった。
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