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「……本当にいいんですね?」
レイは給仕型アンドロイドが煎れた紅茶の入ったカップを傾ける。
二人は複雑そうに笑う。
「もう…決めた事ですからね。変えようがありません」
レイはそんな老夫婦にそうですかと返す。
そして立ち上がりやけに小綺麗な白衣から一枚の写真を取り出した。
「これはお返しします。顔はもう成型しましたからね」
「っ!!本当ですか?」
老紳士は立ち上がり彼を食い入るように見つめる。
そんな老紳士を嗜めるようにレイは言う。
「本当ですよ?貴方方の娘さんに生き写しです。でも…」
「でも?」
「いくら顔形が同じでも『心』はない、ただの人形。それでも構わないんですか?」
レイの言葉に老夫婦は黙ってしまう。
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