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すると老夫人が口を開く。
「それでも…娘が…千尋が帰ってくるなら……私達は構いません。ねぇあなた?」
「あぁ…」
二人は再びレイを見つめる。
「私達の死んだ娘そっくりのアンドロイドを造って下さい」
二人の目は悲しいくらいに真っすぐだった。
レイは諦めたように微笑むと、小さく頷いた。
「…わかりました。私の出来る限りを尽くしましょう。桃瀬様」
老夫婦は最後に会釈すると、娘そっくりのアンドロイドが造られている研究所を後にした。
残されたレイは一人一体のアンドロイドを見つめる。
「嫌な依頼だな…」
彼の哀しげな呟きを聞いた者は誰もいない…
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