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何にも変わった事は無い、いつも通りの五時間目。昼食後の最も辛い授業で睡魔に負けている奴らも多い。クソつまらない歴史の授業だから仕方ないと言えば仕方ないけれど。
そんな中、いつもなら眠ってしまっている俺は全く眠れないでいた。この妙な感覚のせいだ。
――叫べ!
ああ、まただ。俺に命じる何か、単純に声なのかも知れないし、そうでない何かなのかも知れない。不思議な事に俺がその判別に困るのだ。
叫べ!!
命じられているのは俺だと言うのに、それがなんなのか一向に判別出来ない。授業中なのでクラスメートが声に出して俺に命じているわけでは無いんだろうと思うけれど、それすらも確固たる自信は持てないでいる。
もし仮に誰かが声に出して俺に命じているわけでは無いとすると、これは一体何からの命令なのだろうか。一番に考えられる選択肢としては、やはり自分自身かな? 脳が口なり喉なりに俺の意思に関係無く命令しているのを言葉として認識しているのかも知れない。
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