最初から迷ってない。

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「――絶対に帰って来るんだよっ!」 アルフが橙色の転移の光に包まれていく。 「おう。絶対に帰る――――から、ユーノを頼んだ」 ユーノを無理やり、アルフに押し付ける。 「え――!?」 「タクミ!? 待って、待ってよ! ボクたちは――――」 ユーノの言葉は、途中で途切れた。 無事、アースラに転移したらしい。 「最後はさ、主人公らしく一人で決めさせてくれよ」 ――俺も、話したいことがあるんだよ、あの馬鹿と。 『マスター、私も、一緒、ですが』 「お前はデバイスじゃん」 切っても切り離せない関係じゃん。 『――今の私には、マスターと共に戦えるカラダがある。最後まで付き合います、マスター』 「・・・・・・ここに来て喋り方変えるのやめてくんない」 『ここぞというときにデレないと、私の存在が忘れられてしまいますから』 ・・・・・・こいつはまったく。 「――もう、お前も相棒だよ。頼りにしてる」 『イエス・マスター』 一度だけ、オートバジンのゴーグルが輝いた。 「いくぞ、ファイ」 『set up――STANDING BY』 心に思い浮かぶ、魔法のトリガー。 たった一言の呪文。 記憶の中のヒーローたちと同じように、俺も変われるように―― 「――――変身ッ!」 『COMPLETE』 フェイトといっしょに、あんたの罪を背負う覚悟なんざ、もうできてんだよ。
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