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「ぶん殴ってでも、あんたを連行する」
「大魔導師、プレシア・テスタロッサ・・・・・・あなたのような出来損ないに殴られるほど、優しくはないわよ」
自分で大魔導師とか言うなよ、安っぽく感じるから。
「ファイ、お前はアリシアの確保。あれさえ確保すりゃ、あいつは従う」
『わかりました』
「私のアリシアには指一本触らせない! もうすぐ、もうすぐなのよ!」
無理なんだよ。
死んでるもん、そいつ。
諦めろよ、いい加減。
「ごほっ、ごほっ・・・・・・!」
血を吐き出しながらも、プレシアは空中に巨大な魔法陣を展開した。
物凄い速さで虚数空間が広がっている今、あれが最後の魔法だろう。
あれを破れば、それで終わり。
いいね、単純明快だ。
「お互い一撃、最終決戦っぽくて最高じゃんか」
ハンドルグリップをバジンに戻し、ミッションメモリーをポインタに。
『Ready』
最後はやっぱり、こいつで決めなきゃな。
「行きましょう、アリシア!」
その叫びと共に魔法陣からバチバチ、という雷の音。
プレシアの魔力光――紫色の雷が光を放つ。
「――あんまり無茶すんなよ。俺にも、あんたにも、未来があんだからさ」
『EXCEED CHARGE』
赤いフォトンストリームが右足を通り、ポインタへ。
その流れに俺の魔力を乗せる。
また、電撃が流れるような痛み。
――この一撃で終わるんだ、多少の無茶は許容範囲。
プレシアのことは言えねーな、俺も。
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