最初から迷ってない。

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「サンダー――」 詠唱ともいえない、たった一言の呪文。 「レイジ・・・・・・!」 それがトリガーとなり、紫の雷が俺の場所に落ちてくる。 「――ふッ!」 フェイトのものとは違い、拘束をせず、単純な範囲攻撃のみで相手を捉える殲滅魔法。 対する俺は拘束という動作を置いてからの必中攻撃。 どうやっても、プレシアの方が先を取る。 「――がッ、うぉぉ!」 飛ぼうが跳ねようが、この空間内での回避は不可能。 なら、耐え抜く。 ただそれだけ。 一撃もらっても、墜とされなければ、俺は後の先を取れる。 つまり、勝利。 ハッピーエンド、大団円。 「ぉぉぉおッ!」 だから、こんなところで墜ちるわけにはいかない。 紫から赤へと変化した雷が俺の身体を灼く。 フェイトはこれを、あんなボロボロの状態でもらったんだ。 兄の俺が耐えないで、どうするよ・・・・・・! フェイトにもアルフにも、ユーノ、なのは、クロノ、帰るって約束しちまったからなあ。 ユーノ、怒ってるよなあ。怖い怖い。 「――フォトンランサー・ジェノサイドシフト・・・・・・遊びは終わりよ。消えなさい、亡霊!」 フェイトとは違う、広域攻撃型。 スフィアが周囲を囲む。 『マスター!』 ――――!
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