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ブラックアウト――それも一瞬。
クロノが舌を巻いた、防御の硬さ。
一撃必殺型の雷ならともかく、チャチな魔法じゃ、傷一つつけられはしねえ。
なんだっけなあ。
主人公が言ってた台詞・・・・・・ああ、そうだ、思い出した。
救世主 ―ヒーロー―は、
「――闇を斬り裂き」
「く――!?」
赤い円錐状のポイントが、プレシアを捉える。
「――光を齎すってなァ!」
ったく、キッツイな。ヒーローを目指すってのは。
全力全開。
間違っても次がないように、右足にさらに魔力を流し込む。
右足の感覚がない・・・・・・というか、雷のせいで全身の感覚がないから、気にしなくていいや。
意識も、朦朧として、きてる、し・・・・・・
「ハァァ――らァ!」
感覚もなく、光もない視界の中。
俺は確信した。
漸く、全部終わった――と。
「――――」
音ももう聴こえない。
ん、流石に俺まで気絶すんのはマズい・・・・・・ファイは、転移魔法なんて登録して、ないから・・・・・・。
――――!!
どこかで、崩壊していく音が聴こえた――そんな気がした。
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